20年程前に作った鞄型の裁縫箱。ちりめんと当時廃棄予定だった黒いズボンを解いて作りました。働きながら夜間の服飾専門学校に通っていた頃に、道具一式を持ち運ぶ為に作ったものです。
当時は心のバランスを崩していて、通い始めたはいいものの制作するなどとても無謀な状態でした。それでも通うのに道具一式を収めたいと構想して2年。ようやく仕上がりました。沢山悩んで、頑張って通って、しんどくて苦しくて、学ぶには効率が悪い時期だったかもしれませんが、パターンを作ることができるようになって幸せでした。無理しても学んだからこそ、ウェディングドレスを縫うことができました。
そんな苦しい時期になんとか心を奮い立たせて縫った裁縫箱。持ち運ぶものが綺麗に収まるように設計したので全て収まってぴったりで、とても便利でした。今となっては持ち運ぶ必要がなくなり、お役御免となりました。私の大切な相棒でしたが、今日でお別れします。20年に渡って道具を収めてくれてありがとう。