21年分の給与明細

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長年保管していた給与明細を断捨離しました。
社会に出てサラリーマンとして勤めていた21年分のもの。21年という年月は、数字で見ても記憶を振り返ってみてもものすごい年月だけれど、明細を積み重ねてみるとこんなものかと驚きました。また、内容を見てこんな数字だったかな?と自分の記憶の曖昧さにも驚きました。幾つかの会社を経験したので、明細から様々なことが思い出されます。楽しかったこと、苦しかったこと、学んだこと、後悔の念。本当に沢山の経験をさせて貰ったなぁ、と今は感謝しかありません。全ての経験が、今の仕事に生かせています。
ただ…一番最後に勤めた会社の給与が二十代の頃に勤めた会社の給与より低かったのには改めて驚きました。20も歳を重ねて出来ることがかなり増えていたのに。心の中でいつもそんな愚痴を言ってはいましたが、実際に数字を見ると、あぁこんなにも…と愕然と致しました。

でも、先にも書いた通り、全ての経験が今の仕事に生かせています。この21年の経験がなかったら、今の仕事は何もできなかったはず。番頭さんと二人、一から始めた仕事なので全て自分たちで作り上げなければなりませんでした。これからも自分の経験を頼りに進むしかありません。

多くの方が言うように、人生に無駄なものは何一つない。頑張ってきた自分と、経験させてくれた多くの方々に感謝します。

お手製の裁縫箱

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20年程前に作った鞄型の裁縫箱。ちりめんと当時廃棄予定だった黒いズボンを解いて作りました。働きながら夜間の服飾専門学校に通っていた頃に、道具一式を持ち運ぶ為に作ったものです。

当時は心のバランスを崩していて、通い始めたはいいものの制作するなどとても無謀な状態でした。それでも通うのに道具一式を収めたいと構想して2年。ようやく仕上がりました。沢山悩んで、頑張って通って、しんどくて苦しくて、学ぶには効率が悪い時期だったかもしれませんが、パターンを作ることができるようになって幸せでした。無理しても学んだからこそ、ウェディングドレスを縫うことができました。

そんな苦しい時期になんとか心を奮い立たせて縫った裁縫箱。持ち運ぶものが綺麗に収まるように設計したので全て収まってぴったりで、とても便利でした。今となっては持ち運ぶ必要がなくなり、お役御免となりました。私の大切な相棒でしたが、今日でお別れします。20年に渡って道具を収めてくれてありがとう。

近くて遠い臭木

近所の公園に、臭木の大木が2本ありました。少し前に何本もの巨木を見つけて大興奮していた母の様子をお豆ちゃんが覚えていたようで、公園でお豆ちゃんが見つけてくれました。しかもこの公園の臭木は、大木なのに子供でも手の届く高さ(斜面に生えているので斜めにせり出しています)。臭木はとても大きな木で、たわわに実るような立派なものになるともはや手が届きません。故に、この公園の臭木はものすごく魅力的。けれど、ここは市が管理する公園…公園の植物は採取することができません。北側なので他の臭木よりも少し遅く、今まさに真っ赤な額に濃紺の実がたわわに実っています…採りたい…手を伸ばせばすぐ採れるのに、採ること叶わず…。植物の採取は、いつも悩ましいです。

来春、実家に置いて来た鉢植えの臭木を畑に移植します。思う存分採取できるように、大きく育てます。

桂の香りに包まれて

今年はどんぐりが豊作なのでしょうか。
畑に向かう途中にある公園の入り口は、落ちたどんぐりで一面覆い尽くされるほど。どんぐりを踏みつぶさずに歩くことは困難です。

そのどんぐりロードの先は、桂の葉の甘い香り漂う道。雨上がりには、甘い香りが一層豊かです。

 

二ホンアカネの花

10月のこと。染色の師の庭に、二ホンアカネの花が沢山咲いていました。初めて見たので感動です。小さな白い花が幾つも咲いていて、こんなにも沢山咲くものなのかと驚きの光景でした。先生のアカネはいつ見ても本当に元気で、行く度に眺めてしまいます。

この夏、紅舎の二ホンアカネは地上部が枯れてしまいました。根が生きていればまた芽を出すはずなので、首を長くして待っていましたが…なんと、コガネムシの幼虫に根を全て食い尽くされていました…。
なかなか芽が出ないことと、アカネの根がどんな風に地下に広がるのか確認しようと思って、鉢をひっくり返して発覚。毎年被害に遭う鉢があるので、弱って来たら掘り返すようにしていたのですが、夏があまりにも暑くて、そのせいに違いないとしか思っておらず…迂闊でした。

多摩丘陵で初めて自分で見つけたアカネだったので思い入れのあるアカネ。とても残念ですが、土の中から僅かに(数センチ)形が残っていた根を見付けたので、期待して土を被せておきました。

紫草の鉢上げ

三つだけ発芽した紅舎の貴重な紫草ですが、長梅雨で一株が根腐れを起こしたようで、結局残ったのは二株です。その二株をようやく鉢上げしました。

紫草の根(紫根)を染料として使うため、その根を長く長く長ーく育てたい。しかも、紫草は過湿を嫌い水はけの良い環境を好むので、プラ段に空気穴を開けて利用したり、麻袋を使うなどのアイデアも染め仲間から伺いました。何か自宅にあるものを有効利用できないかと考えた末、番頭さんが試斬に使う畳を使うことにしました。畳は土に還るので畑でも活躍してくれています。

細く巻いて筒状にし、紫草用に配合した土を入れました。自立してくれるのでかなり作業性が良かったです。また、畳の端から解けるイグサを数本拠って、筒にした畳を結ぶのに使いました。天然の素材で仕上がったのが嬉しいです。うまく育ってくれたら、来年からもこの方法でやってみます。
植え付け時に土の中に見えた細い根は、綺麗な赤みを帯びた紫色でした。感動です。

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